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『子供の誕生』『1Q84』『どつぼ超然』

『子供の誕生』読んでたら目の前になぜか『1Q84』の1巻があり、ちらっと見るうちに読破してしまい、子供の誕生のあと楽しみに読もうとしていた『どつぼ超然』の続きが読めずに夜が更けた。 話題になった1Q84、物語りの面白さはある。だけど登場人物たちの言…

死霊  埴谷雄高 講談社

最近床やちゃぶ台の上に落ちていたので(撒かれていた?)読み始めたがまた寝不足になる予感。お肌への打撃が大きくて困ったことである。 熊野純彦『埴谷雄高ー夢みるカント』も見かけたような。

複製技術時代の芸術  ヴァルター・ベンヤミン

表題作を読んでいるといらいらしてくる。引用で繋げながら間接的に指し示すばかりでずばり言わないというか、これはこれでスタイルだからいいということなのか。写真小史も肝心なところはそんな感じ。そもそも視覚的無意識とか、知覚の変容とか、写真や映画…

岸田劉生日記 岩波文庫  酒井忠康編

最近古本屋で岸田劉生日記を買った。展覧会を見てから読むと面白いかも。展覧会終わったけど、近美などにいけば常設で出ている。

Nijinskyの手記

ニジンスキーが踊らなくなってから書いた手記。 言葉がすごい。なんという人生だ。翻訳がいいのかもしれないがいずれにせよ。 ニジンスキーはロシア語で手記を書いた。没後フランス語や英語に訳されて奥さんが色々と編集したため(奥さんはロシア語を読めな…

『怪帝ナポレオン3世』鹿島 茂著、講談社、2004

王政、第1共和政、帝政、復古王政、7月革命、7月王政、2月革命、第2共和政、第2帝政、第3、、、と、入り乱れるフランス近代の政治主体。第2帝政あたりの交代劇が楽しく頭に入る便利な1冊。

古代ギリシアの同性愛 新版 K.J.ドーヴァー、中務哲郎、下田立行訳 青土社

年末から懸案の宿題の合間、逃避行動時に読んでいた本。 古代ギリシア主に古典期のアテネにおける同性愛の研究。 誰も見てこられないし一次資料も限られた古代について何事かを語るなら納得いく方法論をまず説明しておくべきという考えの元に最初に方法論に…

産業革命期のイギリスにおける都市労働者階級の住環境問題

「あれあれ、あれなんだっけ」の刑。 以前読んだ本の書名が思い出せない。ほれ、如何に都市労働者の住環境が悲惨かをリサーチによる詳細データで語ったあの本。同時代イギリス人の労作であるが。

シュレーバー回想録―ある神経病者の手記 ダーニエール・パウル シュレーバー (著), Daniel Paul Schreber (原著), 尾川 浩 (翻訳), 金関 猛 (翻訳), 石澤 誠一(解題) (著)   平凡社(文庫版)2002年12月発行

シュレーバー回想録―ある神経病者の手記 (平凡社ライブラリー)作者: ダーニエール・パウルシュレーバー,Daniel Paul Schreber,石澤誠一,尾川浩,金関猛出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2002/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 186回この商品を含むブ…

ダンスについての対話 アリテラシオン  ジャン=リュック・ナンシー、マチルド・モニエ 大西雅一郎+松下彩子訳 現代企画室

監獄の誕生-監視と処罰- フーコー

なかなか読む暇なし。 第2章「身体刑の華々しさ」 身体刑の外的存在要因とその機能、身体を通じた司法権力(その上の王権)と民衆との関係。19世紀型身体刑批判(裁判と処罰を結合させるべきでない。人間的配慮、など)は身体刑そのものに内在していたと…

音楽のつつましい願い

ちなみに中沢新一が、山田ロシアでのエピソードを見てきたかのように再現したエッセイがあるがこれも山田の回想録を元に想像豊かに脚色していてお話としてはうまいが眉唾ものだ。

監獄の誕生-監視と処罰- ミシェル・フーコー 田村 〓訳

今更ながらだけど面白い。これからしばらく通読予定。監獄における一望監視施設を表すパノプティコンという単語があまりにも有名だが、原題では「監視と処罰」がメインタイトルだったんですね。

夢幻のドイツ田園都市―教育共同体ヘレラウの挑戦 山名淳 ミネルヴァ書房

中世の身体 ジャックル=ゴフ, 池田健二, 菅沼潤訳: 藤原書店

序の部分でさらーっと身体論の研究史をさらっているのが案外便利かも。基本的にはマルク・ブロックの論に添っている。前著『中世とはなにか』も面白かった。

堀田正敦関係

どう考えても欲しい!しかし高いので躊躇。

最近読んだ本:その一

『ソフィスト』を読むための手引き書。なにくわぬ感じでドゥルーズの見解を紹介していたりして面白いけど、主導権が強い本だ。けど結局助かる。ギリシャ美術を、ギリシャの社会状況、政治動向に関連づけながら解説。ハンドブックとはいえ要点が押さえられて…

オーウェル

何の気なしに1984年を読んでしまい恐ろしさのあまり2週間くらいダメージを受ける。私は閉塞状態が恐ろしいのでオーウェル描く世界はもう最悪だった。究極の管理。免許センターに行くときに同種の感じがして逃げたくなったことを思い出す。新潟監禁事件が明…

ソルジェニーツィン

ソルジェニーツィンの小説がロシアで初めてテレビドラマ化されたと新聞に報道されていた。たまたま先日メトロ文庫で借りたのは『イワン・デニーソヴィチの一日』(新潮文庫)。スターリン時代の収容所の一日。1970年にノーベル文学賞が決定したときソルジ…

植物本、日記帳、博物図譜

英国王立園芸協会には日本支部がありそれは世界で唯一の支部だそうだ。 英国王立園芸協会が出したグッズ、5年日記を頂く機会を得た。5年分の植物栽培記録がつけられるという思いも依らないもので、昨今の自分にぴったりの頂き物だった。もっぱら今の心配事…

自画像 高村豊周 中央公論美術出版

今の近所に好感を持つため読書。 自画像明治人の自伝は面白い。 戦時中の軍の美術統制の様子だとか、今資料を探しても見あたらない訳だ。たいてい燃やしているから。こういう覚え書きはリアル。

蔵書について

今年の年末は大掃除ではなく引っ越しの準備であるから所持品全部のチェックが出来る。出来るというか、そうせざるを得ない。 私は何でこんなに本をため込んでいるのだ。 此処に引っ越してきてから一度も読んでないもの多数。これは処分するべきか? それから…

ゲリラ戦争 エルネスト・チェ・ゲバラ著 五十間忠行訳

例によってメトロ文庫。 ゲリラの全てが、実用書のように淡々と書かれていて思わず次の休日には私も、と錯覚しかける不思議な文体。翻訳のせい?

「詩と国家――ことばと倫理の交差する場所」

先日紀伊国屋ホールで開催されたセミナーに行ってきた。菅野覚明氏の著書に関するトーク。人についていった形。倫理には暗い自分だが、横尾忠則もビックリのものすごく強烈なデザインのチラシに惹かれたというのが最大の動機だった。本のタイトルも興味を引…

よろこびの機械 レイ・ブラッドベリ 吉田誠一訳 早川書房

よろこびの機械 (ハヤカワ文庫 NV 112)メトロ文庫で借りて電車で読んだ。よろこびの機械とは神の創った人間、ブレイクの詩のタイトル。但し、その詩のねつ造者、神父が告白する、ブレイクが未来に生きていれば作ったであろう詩だと。

白水社

フランス関係を多く出している出版社だけれど創業は大正時代だったかと思う。創業者福岡易之助は仏文学者でルパンを初めて翻訳出版したのも彼ではなかったか?美術家による珍しい植物図譜も出版している。発行部数など知りたかったがおそらく戦災で資料が焼…

現代住居コンセプション 117のキーワード 監修 南泰裕+今村創平+山本想太郎

こちらは「住居を思考することの全体を様々な概念の集合として捉えてみる」姿勢。かなり大枠な概念的章立てのもとに、住居についての様々な切り口を具体的な事例を挙げながら提示している。語り手が多いだけに口調も様々だが、現場からの報告的説得力があり…

10+1 series 現代住宅研究 塚本由晴+西沢大良

日本の住宅建築を多くの建築家の仕事からピックアップし、キーワード毎に分けて語ったエッセイ風文章集。キーワードは「室内風景」「二階建」「装飾」「建具」など30程。著名建築家の過去の仕事を結構辛口批判していたりして面白い。 それはそれとして、建築…

知覚の宙吊り ジョナサン・クレーリー 平凡社 2004

これも備忘。

シリーズ・哲学のエッセンス メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか? 熊野純彦 NHK出版

現代思想でけつまずくのは論理が展開される過程で使われる比喩と象徴に満ちた語句のかずかずです。襞とか肉とか家とか器官なき身体であるなど。 原語で読もうとすると、不安と苦労はいや増す。chairは肉。でいいのかね?肉体はcorpsであったはず、viandeでは…