メディアとアート 明晰な幻:from Machine Art to Media Art  川崎市市民ミュージアム

2010年10月09日 〜 2011年01月16日

すこし前の話しになるが、MoMAで1934年に開催されたマシーン・アート展のことを取り上げているのに興味を覚えて見に行った。
大まかなコンセプトはHPに掲載されていた下記の通り。

テクノロジーとアートの関係に焦点を当てた「メディアとアート」シリーズの第2弾。今回は、1934年ニューヨーク近代美術館における「マシーン・アート」展の状況から始め、「機械」による監視システムの発達した現代社会をテーマとしたルイス・ボルツによるインスタレーション(1992年)、コンピューターでプログラムした映像による多様な表現で国内外で活躍する現代作家plaplax(プラプラックス)の作品(2001年)を紹介し、アートとテクノロジーの歴史の一端を辿リます。

で、ここには上がっていないが、デュシャンの『アネミック・シネマ』(1926年)とか、ヴィキング・エゲリングの『対角線交響曲』(1924年)などが上映されていて、暗くて広いスペースに誰もいなかったので、ソファに寝そべって観賞してみた。
「『機械藝術』という幻覚」(マシーンアート展紹介)、「幻の正体」(デュシャンなど)、「幻の行方、目に見えぬ『機械』」(ルイス・ボルツなど)、「幻影の装置」(プラプラックス)という4つの章立てで、きちんとした文章が解説パネルに書かれていて企画者のコンセプトがよく分かる。

展覧会自体何の問題もなく、むしろ興味深かったのだが、川崎市市民ミュージアム全体から発するどんよりとした停滞感が最も印象に残った。標題の展覧会だって、無料展示だからだと思うが誰も監視がいないし、それはまあいいとして、出品リストひとつ見当たらなかったことは軽い驚きだった。自主展に予算が全く割かれなくて、かつ博物館でこういった企画をやることに学芸が苦労しすぎて、もう発信系に労力を割く余裕はない、と割り切ったのかどうかはわからないが、そういったことを勝手に想像して同情の念を禁じ得なかった。
任期付きではあるが、現在学芸の管理職、および広報の管理職の公募が出ているので、これから仕事がしやすくなるといいですね。

(HPより)

3.学芸室長
市民ミュージアム学芸室業務の管理・運営の統括
・学芸業務に係る博物館部門及び美術館部門の企画・調整・実施等
3については、学芸員資格を有する人で、民間企業、行政機関、美術館・博物館、大学もしくは研究機関等のいずれかで通算15年以上の職務経験を有する人で、美術館・博物館活動に造詣が深く、経営及び管理業務等の実務に携わった経験を有する人。
3の応募資格の詳細については
川崎市生涯学習財団ホームページ
(http://www.kpal.or.jp/)
でご確認ください。