10+1 series 現代住宅研究 塚本由晴+西沢大良

現代住宅研究 (10+1 Series)

日本の住宅建築を多くの建築家の仕事からピックアップし、キーワード毎に分けて語ったエッセイ風文章集。キーワードは「室内風景」「二階建」「装飾」「建具」など30程。著名建築家の過去の仕事を結構辛口批判していたりして面白い。
それはそれとして、建築についての語り口が、建材や寸法、構造、仕上げなどに関する専門用語を使って一挙に抽象論に飛んだりするところが面白い。逆にいえばかなり概念的なことを建築によって「表現」しようとしていることが分かる。色々な建築家がいるが、時には住む人が困るような要素が等閑視されたりして。建築家の「作品」に施主がひざまずく構図、これはザ・フォーとかウィーン分離派あたりに始まったんだろうか。
図面や写真が豊富でいい。巻末掲載の住宅データがインデックスになっていないのが残念。