東京バレエ団 モーリス・ベジャール振付「M」 東京文化会館大ホール
NBS創立30周年記念
三島由紀夫生誕85年 没後40年記念
【総監督】佐々木忠次 【芸術監督】飯田宗孝
【振付・演出・衣装コンセプト】モーリスベジャール
【音楽】黛敏郎、C.ドビュッシー、J.シュトラウス二世、E.サティ、R、ワーグナー
それにしても昨日はベジャールの「M」が見られて良かった。思った以上の奇作であった。残念ながら途中から会場に入ったわけだが、ふんどしの男が4人立ってる中でパンツのセバスチャンが踊るシーンでしたから。ベジャールの想像力と読み込みで見る「M」の世界。三島を読み込み、なおかつ自分独自の世界を出現させきったベジャールはやはり実力派。
また、当日は小林十市の引退公演でもあったようだ。公演後の満場の拍手が良い感じだった。
彼の存在感は素晴らしかった。若いダンサーに全く引けをとらない。やはり良いダンサーなんだな。良いダンサーといえば上野水香ちゃんも。安心して見ていられる実力派。しかもプロポーションがいい。いやあ楽日が水香ちゃんで良かった。
イチ:高岸直樹
ニ:後藤晴雄
サン:木村和夫
シ(死):小林十市
聖セバスチャン:長瀬直義
女:吉岡美佳(12/18)、上野水香(12/19)
海上の月:小出領子(12/18)、渡辺理恵(12/19)
オレンジ:高木綾(12/18)、吉川留衣(12/19)
ローズ:西村真由美(12/18)、奈良春夏(12/19)
ヴァイオレット:井脇幸江(12/18)、田中結子(12/19)
歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎 サントリー美術館
2010年11月3日(水・祝)〜12月19日(日)
なにやらEUが、ダン・フレイヴンとビル・ヴィオラのネオンの作品を「美術品」と認めない決定を下したそうだ。つまりそうなると、イギリスの画廊やオークションハウスは輸入するのに関税をフルで払わないとならないとか。しかし、フルでネオン管の金額で関税払ったほうが、美術品の関税より安くないのかな。誰が損するのかよく分からない。あとでよく読んでみよう。
http://www.theartnewspaper.com/articles/Flavin+and+Viola+light+works+ruled+%E2%80%9Cnot+art%E2%80%9D/22069
例によって最終日の旅。プロデューサーあるいはディレクターとしての蔦屋重三郎に焦点をあてた展覧会。浮世絵展としては目新しい切り口なんではなかろうか。作品と書籍資料(黄表紙とか)が入り混じって展示されていたのが残念という人もいたが、私は特に気にならなかった。解説も一般向けに親切だった。途中、蔦屋の活動と展示されてるものの関係が不明瞭な箇所もあった気がしたし、なぜか展覧会としてのストーリーが最後にはよく分からなくなったけど、作品がそれぞれ面白かったのでこれも問題なし。出口で「ありがとうございました、さようなら」みたいなセリフの入った蔦重のバナーが下がっていて、なんかまとまった気にさせられる。切り口の明快さ、写楽や歌麿などの超有名作品の威力、会場施工のゴージャスさ(かつセンスよさ)が取り揃った展覧会だった。
なにより、蔦屋の明るい商人活動に明るい希望を貰った気がしたのがこれまた個人的には収穫でした。このご時世ですからね。
その後ベジャールの「M」を見て、芸大のシンポジウムに寄って帰る。