江戸文化シリーズ No.26 諸国畸人伝   板橋区立美術館

9月4日(土)〜10月11日(月・祝)

ぼんやりしており、新高島平で降りてしまう。しかも、しばらく気付かずだいぶ歩いてしまった。

「絵師10人、驚愕の不協和音。」
驚愕のキャッチコピー。段々と芸が磨かれてきたような。美術館脇ののぼり旗には、「よらなければ、そんをする」みたいなことが書いてあって、もうすごい。実際、よらなきゃ損という展覧会が多いから真実を記してあるだけだが。
今日の収穫はなんといっても狩野一信「五百羅漢図」だった。友信も手伝ってたという。友信が如何に師の画風に忠実だったかよくわかった。でも一信のほうがすごいね。あのガジュマルの下で瞑想する羅漢達その他、あー来て良かったと思った。50幅全部見たいものだ。増上寺蔵。どうしたら見られるのかなあ。
そして驚きの羅漢群像のとなりにはさらに衝撃の白隠作品群が並んでいて、その次には絵金が来るという、、、。天才的な展覧会であった。

絵金といえば、熊本市現代美術館が、高知の絵金蔵から借りてきた絵金の屏風をお任せで燻蒸させたら変色してしまったという事件が最近あった。いつもは大丈夫だったというけれど、とんでもない話ではある。

産経ニュースより

借用中の「絵金」の屏風が変色 熊本市現代美術館
2010.9.16 20:59
このニュースのトピックス:美術・芸術
 作業ミスで変色したびょうぶ(右)。変色前と比べると、画面下部や右奥の武士の羽織部分などが黒っぽく変色している(熊本市現代美術館提供) 作業ミスで変色したびょうぶ(右)。変色前と比べると、画面下部や右奥の武士の羽織部分などが黒っぽく変色している(熊本市現代美術館提供)

 熊本市現代美術館は16日、高知県香南市の展示施設「絵金蔵」から借り受けていた幕末の絵師金蔵(通称絵金)の屏風(びょうぶ)5点を作業ミスで変色させたと発表した。

 いずれも高知県文化財に指定されており、美術館側は「好意で貸してくれたのに申し訳ない。責任を感じ、反省している」と謝罪。香南市は「大変に残念だ。元に戻るよう最善を尽くしてほしい」としている。

 美術館などによると、絵金は狩野派の技法を学び土佐藩家老家の御用を務めたが、贋作事件で城下追放となって放浪後、現在の香南市に居住した絵師。浄瑠璃や歌舞伎の場面を題材に、動きのある独特の筆遣いで描いた屏風が知られる。


板橋の展覧会概要

江戸時代は、文化が全国に拡散し、浸透した時代だといえます。絵画について見ると、上方を中心に栄えていた絵画文化が18世紀中期ごろにようやく江戸にも浸透し、官学御用絵師狩野派のほか、市民層の支持を得て民間画壇をも活性化してゆきます。

こうした活況のもと、日本各地に既存の流派にとらわれない個性的な絵を描く画家たちが登場してきます。彼らの絵は「畸人(きじん)」と呼ぶにふさわしい奇抜な表現と斬新な視覚によって描かれています。

寛政2年(1790)、伴蒿蹊により著された『近世畸人伝』は、あらゆる階層の有名無名の人々の奇異な行状を伝える人物伝です。本展はそれに倣い、陸奥常陸信濃、江戸、駿河、京、大坂、土佐の諸国より、18世紀後半から19世紀前半にかけて活動した10人の絵師を選りすぐり、48件の作品を紹介することで、江戸時代絵画の多様性と面白さをお見せします。

地元で大切にされたために中央で紹介される機会が少なく、一般にあまり知られていない絵師もいます。しかし、彼ら10人による強烈な表現力は、会場に驚愕の不協和音を響かせてくれることでしょう。