Paso Doble     Miquel Barcelo/Josef Naji      Eglise des Celestins      duration 1h (60e festival d'Avignon)

7月25日

ジョセフ・ナジは「カナル・ペキノワ」とか「ヴォイツェック」などのダンス公演で90年代に来日しているコレオグラファー、演出家。バルチェロは知らなかったけれど、粘土を使ってタブローや彫刻を作るアーティストだった。

「パゾ・ダブル」は、映像作品として上映されていたが、2人のコラボレーションによる巨大なタブロー制作であると同時にパフォーマンスとしても成立している。白いシャツに黒いスーツを着た2人が、2.5×3m位の巨大な粘土板にどんどん痕跡をつけていくのだが、粘土って、ものすごく身体的な素材というか、粘土と格闘し痕跡をつけ続ける2人には眼が離せなかった。2人がつける様々な痕跡は前の痕跡を更新し続け、粘土板が変化していく様子はまさにメタモルフォーゼ。

ナジはこの他、エコール・デ・ボザール(アヴィニヨンの)でも写真の展示をやっていた。こちらは、建物についたペンキの跡、など痕跡発見系の写真群。ナジの関心がよく分かる。