leeum ( samsung museum of art )

今年新たにオープンした美術館。プライベート美術館でこんなにお金のかかった美術館は日本ではお目にかかったことがないです。サムソンの一人勝ちぶりを見た。
なにしろまず3つの建物を、ジャン・ヌーベルとレム・コールハースとマリオ・ボッタがそれぞれ担当しているのですもの。それだけで唖然。どうも彼らは3人共同、という形式を好まなかったらしいが、(それはそうでしょう)とにかく実現している。
マリオ・ボッタの建物は古美術の陳列。これがまた、指定文化財のオンパレードであって、たまたま移転のため閉館していた韓国国立中央博物館(日本でいうところの東京国立博物館)よりコレクションの質が高いという噂。国としてどうかと思うが、しかしそういう国宝が私企業の陳列館にドーンと収まっているのであった。特に青磁のコレクションは質が高く、また白磁や白粉青磁の量も豊かで目の肥やしになった。
ジャン・ヌーベルは現代美術の陳列館になっていた。作家性の強い空間で、展示する立場に立てばあまり融通の利かない感じだが、常設なのでまあいいのだろう。ナウム・ガボのオブジェなど、日本ではお目に掛かれないものあり。マシュー・バーニーのクレマスター3がモニターに流れていて、あれって上映権ずっと払い続けているのだろうか。たいしたものです。
3人の中では割をくっているなと思ったのがコールハースの企画展示室。融通を利かせねばならない反面、建物の印象も弱い。ここでも子供のための教育プログラム展示があって、古美術から現代に至るまで自館のコレクションを使った(!)子供の目線の楽しい展示だった。
レジストラーによれば、ロダン・ギャラリーも含め、レジストレーションはたった2人で回しているとのこと。展示にも全て関わるそうで、公立の美術館とはまた組織形態が違うようだ。
次回は現在金沢21世紀美術館でやっているマシュー・バーニー展の巡回、来年はビル・ビオラ展をやるそうだ。ビル・ビオラ、日本ではまだ個展をやっていない。近いので見にいけるかも。


この美術館は高級住宅地の中にあり、予約制である。カフェもあったが、サンドウィッチ千円以上。韓国では考えられない高い値段設定だった。