Upside Down - Les Arctiques   musée du quai Branly

30 septembre 2008 – 11 janvier 2009

この展覧会の展示デザインはその上をいっていた。恐ろしくクールかつ楽しかった。
展示室に入るまでに、(雪の荒野をイメージした?)導入のため「だけ」の小部屋(室内はブラックライトで照らされていて、真ん中を一本道が通っている)、続いて暗室があって、民族ダンスを踊る陽気な人を映写している。床面には鏡面で上下が逆転した同じ映像。右手上部に荒野の映像。
そこを抜けるとすかっと広い展示室で、林立するアクリルケースの中に、小さい小さいオブジェが沢山展示してある。あまりにも小さいので(2センチ足らずの骨か角で出来たオコジョの頭のオブジェとか。)、観客は虫眼鏡を使ってみることもできる。アクリルケース内は蛍光灯照明。展示室内の隅は計算高く暗闇が残してある。床面には手のひらに転がされた小さいオブジェの投影。掌中の愉しみ、とでもいった感じ。
端の方の床に白く塗ったサイコロスピーカーが置いてあって、森の中、あるいは海辺、あるいは荒野、から採録したような「音」が小さく流れている。などなど。壁面に展示された沢山の仮面類もすばらしく印象的にライトアップされている。
ちなみにエスキモーの文化がメインテーマ。監修Edmund Carpenter。

蛍光灯のクールな白と、暗闇を存分に生かしたDoug Wheelerの展示デザインに脱帽。照明がいい。

会場出口にアクリルケースがあって、ガチャガチャ風に小さいオブジェが入りのカプセルが沢山つまっている。これは持って帰っていい。
そうそう、この展示室内には一切キャプションがなかった。