開館記念特別展 鳥獣戯画がやってきた!―国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌 サントリー美術館
11月3日(土・祝)〜12月16日(日)
全貌というからには全巻全部一度に見られると思った人がいたらしいがそれは無理というものだろう。鳥獣戯画については「甲巻」の一部をコロタイプ印刷からあげ写ししたことがある。甲巻がやはり一番筆致が素晴らしくうまい。もしかして、甲乙・・とは力量順を表すのでは?と思わせた。とはいえ、手の違いであってそれぞれ味わいがあることは確かであった。
この展覧会は、鳥獣を擬人化したモティーフの系譜、白描画の系譜を辿り、鳥獣戯画との関連性を暗示させることに意図があるように見える。国宝とはいうものの、鳥獣戯画については不明点も多いそうです。厳密な検証については個別の話しとなろうけれど、とにかく面白く意欲的な展覧会でした。
キャプションの文言がよかった。例えば、「〜、という話。」といった雰囲気で体言止めするような叙述は東博などでは見ない。全体に楽しい雰囲気でした、、。
なお、日本近世の説話に見る動物と人間との交流という点で、サントリー所蔵の猿のところに娘を嫁がせざるを得なかった翁の話しは必見。個人的には、「この労力を畑仕事に使うべきだった」という翁の後悔を他山の石としたい。
暁斎の放屁合戦の元ネタ絵巻あり。笑わずには見られず。
玄證本 阿弥陀鉤召図
鎌倉時代
重要文化財 十二神将図像
鎌倉時代
醍醐寺蔵
鳥獣人物戯画絵巻 模本(長尾家旧蔵本)
室町時代
ホノルル美術館蔵
探幽縮図
江戸時代
京都国立博物館蔵
鳥獣人物戯画絵巻 断巻(競馬・益田家旧蔵本)
平安時代
鳥獣人物戯画絵巻 模本(住吉家伝来本)
桃山〜江戸時代
梅澤記念館蔵