常設展示 京都国立近代美術館

毎回訪れるたび常設が楽しみ。
鑑賞者のリクエストによる構成の試みが楽しかった。特に一観客のリクエストであった土田麦遷の舞子林泉図に関しては、京都は大下絵を持っているので、東京国立近代美術館から本画を借用して並べて見せ、その他にも麦遷作品を集め小規模ながら特集展示となっていてその前向きな対応に感動した。また、今回は常設全体のテーマが「日本ーパリ」。前回企画展の藤田嗣治展を受けて、フランス(パリ)をイメージソースとした作品が集められていた。
レオン・バクストの素描が出ていたのが意外。確かにバレエ・リュスとパリ、関係は大きかった。またバクストのコスチュームをまとったダンサーのデッサンは、同時期パリを訪れた日本人作家にも影響を与えている。
備忘。
岡田三郎助の川を描いた風景画(1900年)は東京芸大が持っている川の風景にすごく似ている。制作年代など近いのだろうか。
長谷川潔の多色木版画を初めて見た。マチエール・ノワールが有名だけれど、「東京ーベルリン展」に出ていたモノクロのものといい、この作家の木版画はかなりドイツに影響を受けているのだろう。ちょっと調べる必要あり、かも。