プラド美術館展 東京都美術館

3月25日−6月30日(会期延長につき7月2日まで)

数年前にも西美でプラド展をやっていたのでどの辺に差異があるかも興味深かった。チラシの裏をみたら「”もっとプラドを見たい”という多くの美術ファンの熱望に応えるべく」ということであるらしかった。

以下有名作家から。
ベラスケス マルガリータはなぜか会場になかった。絵葉書は売っていた。エル・プリモが来ていた。
ティツィアーノ 意外に沢山来ていた。けれど全部忘れた(これでは備忘にならず)。なぜなら《ヴィーナスとオルガン奏者》の背景というか風景描写の粗雑さに驚いたからだ。これはもう、この主題を描くのに飽きて、「背景なんかどうせあほな注文者は見ないだろうしどうでもいいや」、と思って描いたとしか思えない。堕落しとる。とはいえ気の毒な境遇にあった王侯の肖像画などをみるとこの人はうまいと思わせる。
ムリーリョ 無原罪の御宿りのマリアのかわいさに感嘆した。私見では宗教画はこうでなくては。愛らしさ、かわいさといった魅力で打ちのめせずにどうしてあのキリスト教の数々の難問を一般人に押しつけられるものか。
ルーベンス 豊満な女性が好みでない場合目を背けたくなるが技法が素晴らしい。《運命》は輝いて見えた。大変良い作品だった。
ゴヤ ゴヤの有名どころはだいぶ前回来ていたので今回はどうなんだろうと思っていたら、(今回の出展作品によって)あの名作が思い出されるでしょうといった解説がついていて楽しかった。トビアスのところに現れた天使を描いた絵がとても素敵だった。最近購入したとかいうことだった。《魔女の飛翔》も捨てがたい。
その他エル・グレコ、スルバランのボデゴンなど。