生誕120年 藤田嗣治展 パリを魅了した異邦人 東京国立近代美術館

3月28日〜5月21日

こんなに藤田の作品を一度に見るのは初めてだし、良く知った気になっていた作品も、実見するのは初めてだったりして楽しめた。藤田はえらく多作な人だと思うが、この展覧会は、回顧展にして名品中心だった。とはいえ珍しいものも。まず初期の作品群。キュビズム風があったり、「幻想風景」という作品は今の関心事として個人的に見逃せない。藤田の撮影した日本風俗の記録映画(会場に出ていたのは「子供」。)や、自分でデザインした日用品。パリ市美など、海外からの作品には晩年の宗教画も含まれ珍しい。ルネサンス期の宗教絵画をよく研究してるなあと思った。また、一室にまとめられた戦争画。これも今回逃すとなかなか見られないだろう。
実際にこうして作品が並んでみると、改めて、魅力ある作品を作った画家だったんだと思え新鮮な感動。
見応えがあった。これだけ大変な回顧展を実現にまで持ってきた関係者の人たちにお疲れさまでしたといいたい。