Antonello da Messina    Scuderie Papali al Quirinale (Rome)

misatvska2006-04-09

3月18日〜6月25日

先日ローマに行ったときアントネッロ・ダ・メッシーナ(1425~1479)の回顧展をやっていてラッキーだった。
板絵、漆喰系なので日本ではあり得ない展覧会だろう。ファン・エイクなど関連作家のものもありものすごく充実していた。
空間把握が面白い。
中でも《書斎の聖ヒエロニムス》(ナショナルギャラリー、ロンドン)はすごい。
窓の外から書き割りのような書斎にいるヒエロニムスを眺め、その両サイドに続く奥行きと突き当たりの窓から見える建物のさらに外の空間。この外から室内を通して向こうの外を一直線に見つめる視線は、《受胎告知》にも利用されていて、常套句的なテクニックになっているが、展示としておもしろかったのは、そのそばに《受胎告知されるマリア》を配置してあったこと。これは絵を見る人間の立ち位置が受胎告知する天使に見立てられていて、はっとしているマリアが正面から捉えられたポートレート的構図なのだが、マリアの目線が微妙にずれていて謎だ。この2点は制作年が1年違うけど、こうして並べると、同じ映画のワンシーンのカット変わりを見るようである。