東京都現代美術館開館10周年記念 東京府美術館の時代 1926-1970展 東京都現代美術館

9月23日〜12月4日

見逃したくなかった展覧会。
東京府美術館の成立と役割を4つの展覧会を中心に辿る展示。(開館記念展となる1926年の「第一回聖徳太子奉讃美術展覧会」、1940年の「紀元二千六百年奉祝美術展覧会」、戦後の「日本アンデパンダン展(読売アンデパンダン)」(1949-63年)、1970年の「第10回東京ビエンナーレ 人間と物質」展)
当時の資料やコレクションを集め各展覧会の部分再現。
展示室入り口に梶田恵設計の便殿家具の再現配置と梶田/岡田信一郎の設計図面。
読売アンデパンダンを取った飯村隆彦の16ミリ映画が面白い。映像を見ながら飯村隆彦と小島信明が懐古対談している。クローズアップばかりで何が展示してあるか良く分からず、ただでさえ良く分からない作品群がなんというか怪奇的迫力で記録されている。締めが小島信明の人間彫刻なのも笑えた。
今から見ても東京ビエンナーレはすごかった。コミッショナー中原佑介毎日新聞の担当は峯村敏明。もの派、アルテ・ポーヴェラミニマリズムという同時多発的美術運動を主に記録写真から出来る限り辿っている。作品の性質上再現は無理だから、かの「人間と物質」展は噂に聞くばかりでこれまで全貌は良く分からなかった。従ってこのコーナーはかなり見応えがあった。クリスト、ルチアーノ・ファブロ、ヤニス・クネリス、ソル・ルウィット、リチャード・セラ、川口龍夫、狗巻賢二、榎倉康二、河口龍夫、小清水漸、高松次郎、成田克彦、野村仁など。