篆刻

篆刻美術館の方と話す機会があった。明治時代の中村蘭臺(らんだい)(初代)という人物が日本の篆刻を近代化したそうだ。どんなジャンルにも近代化あり?どこが違うかと聞いたら字体なんだそうだ。そもそも日本に篆刻が入ったのは水戸光圀の時らしい。それ以前は木。意外なことに石を愛する中国でもたかだか700年の歴史であって、その前は金属だったそうだ。寺崎広業が蘭台の印章を多数持っていて、中には蘭臺が使用していたものもある。気に入ってちゃっかり自分のものにしたらしい。今では日本人で手で彫ることの出来る人は数える程だそうだ。一般には、コーティングしてサンダーでがーっとつくっちゃうので技術いらず。しかしそういえば私は小学校の時に自分の下の名前を篆刻した。先日急遽実印が必要になったのでやむをえずそれを登録しました。ものは取っておくものだ。その他マニアックな話づくしのひとときだった。文字刻印の世界も深い。篆刻美術館の方は元々中国文学を修め、いつの間にか篆刻の世界にいらっしゃるということだ。印章つながりであれば何でも知っていそうな雰囲気だった。河鍋暁斎の印章は全て調べていて、絵も分かるから楠美さんから鑑定を頼まれることもあるとか。そのうち研究所を作るつもりだとおっしゃっていた。何の研究所か聞いておくべきだった。