恋よりどきどき コンテンポラリーダンスのアイステーシス 東京都写真美術館

10月1日〜

コンテンポラリーダンスそのものに照準を定めた展覧会。日本初ではなかろうか。快挙と思う。
昔、栃木県立美術館で「ダンス!」展が開催され、あれも日本近代のダンスと美術の足跡を辿った素晴らしい展覧会だったけれど、今回はコンテンポラリー。生。展示はコンドルズ、ニブロール珍しいキノコ舞踊団によるインスタレーション+会期中行われる様々なイベント、シンポジウム、上映等。
地下で同時開催されているローザスの展示も良かった。こちらはダンサー達を撮った写真作品+上映。特に、上から撮影したダンサーのソロダンスを、展示室内に作った砂場に上から投影した展示がすごく感覚的で感動した。自分の身体感覚と、ダンスしているダンサーの感覚が砂を通じてシンクロするように思えるのだった。
以前熊本市現代美術館でマリーナ・アブラモビッチ展をやったとき、やはり感動したインスタレーションがあった。部屋の中央に鉄板の舞台があって、観客は磁石を仕込んだ靴を履いてその上に上がることが出来る。磁力のため、足がとてもとても重くなってつらい。前面上部のスクリーンに、アブラモビッチが同じ舞台でマンボを踊っている映像が流れていて、私はこちらを向いてひとり踊るアブラモビッチを見上げる形になる。部屋にはその曲が流れている。すごく孤独で、しかも親密な感じを覚えた。
この2つ、これまで見たダンスに関する展示の中で最も秀逸だと思う。