ゴッホ展ー孤高の画家の原風景 東京国立近代美術館

〜5月22日


なんと並ばずに入れた。といっても朝9時50分頃のこと。チケットを持っていたせいもある。券買う人は列をなしていた。

会場内は既に大混雑だったが、待つストレスがなかったため快適に見てきました。

初期のオランダ時代の作品から最晩年の作品まで、筆致の変化、色の変化が辿れる構成。改めてゴッホは色彩の画家だと確認。そしてマチエールが色と連動していて、その完結ぶりは天才的。図録の図版があまりにも悪くてゴッホに気の毒なほどだった。やはり現物見ないとどうしようもない絵だ。そうすると、大正期のゴッホブームが雑な複製図版によって成立したことがますます不思議になってくる。ゴッホ神話の誕生は、どう考えても文学的な文脈のようだ。ゆえに現代に至るまで影響を及ぼし続けているのだろうか?
それから、ゴッホはあまり孤高でもなかったように思える。少なくとも制作を通じて気になる人の作品を横断しており、頭の中には様々な作家、作品が去来していたに違いない。そこから独創的な表現に辿り着いているところがまた才能。ゴッホは誰が見てもゴッホ


ゴッホ美術館、クレラー・ミュラー美術館所蔵が中心だったが、それ以外に国内からも出品されていた。しかし展示替え、あるいは引っ込めたのだろうか、会場で目にすることは出来なかった。また、影響関係にあった作家、浮世絵、関連資料など、ゴッホ作品以外が意外に充実していて、お得感があった。

他の作家による「理想化」されたゴッホ像と、ゴッホの肖像写真とゴッホの自画像が比較できて面白かった。