ラトゥール展 国立西洋美術館

西洋美術館はラトゥールの「聖トマス」を購入したので、
もとはそのお披露目として展覧会を企画した。

そして、せっかくならばということで、ここまで作品を集め
アジアでは珍しい規模のラトゥールの個展に発展したということである。

大変だったことでしょう。日本でラトゥールを見られるなんて確かにありがたい。

そもそもラトゥールの「発見」自体たかだか90年程前のことだそうだ。
まして日本への紹介は70年代になってから。


本人作と同定できるのは40点ほどだそうである。
60年以上生きた人だから、ましてや工房も経営する親方だったのだから、
もう少し作品が発掘されてもよさそうなものだ。


「いかさま師たち」がラトゥールの作品の中ではむしろ異色な画面構成の部類に入っていた。
工房作は面白い。個性の強調みたいなことが組織的に行われているので
本人単独の作品と並べると、本人作の方が「らしさ」が薄かったりして。

そういえば、あの、名前忘れた現代作家のアメリカ人は、
スタッフ達に作品を書かせて、一番自分の画風に似てる絵にサインを入れたりしたそうだ。