吉田健一『金沢』

昨日受けたメールで詩人が吉田健一の『金沢』のことに触れていた。
文体と長さに苦言を呈しておられたが、あれはあれでいいのでは。
長いことや、突然出てくるベルクソンのことなど些末なことですから、
しばらくすれば記憶から飛ぶでしょう。
イメージだけが残る。
主人公が覗く酒器の内側の美とか、いい女の雰囲気とか。のらくら文体はそれに一役かっている。
あ、これ『酒宴』の方だったか。
金沢に行って酒が飲みたくなります。もしくは金沢に隠れ家を持ちたくなる。


金沢・酒宴 (講談社文芸文庫)