「ロトチェンコ+ステパーノワ ― ロシア構成主義のまなざし」展  宇都宮美術館

2010年9月19日[日]〜11月7日[日]
美術館HPより

■展覧会解説
アレクサンドル・ロトチェンコ(1891-1956)、ワルワラ・ステパーノワ(1894-1958)は、1910年代に起こった「芸術の革命」におけるロシア構成主義の代表的な作家たちです。ふたりは、1917年のロシア革命に頂点を迎えた社会の変革と連動し、芸術とデザインの領域にまたがって、絵画、空間構成、建築、室内デザイン、舞台デザイン、テキスタイル、本や雑誌の装丁、企業や映画のポスターなど、様々な分野での仕事を手がけていきました。また、ロトチェンコは、当時新しいメディアであった写真にも取り組み、友人たちの肖像や都市の表情を、鮮やかな構図のなかに写し取りました。今回は、モスクワのプーシキン美術館と、A.ロトチェンコ&V.ステパーノワ・アーカイヴの所蔵品170点により、公私にわたって生涯のパートナーシップで結ばれていたロトチェンコとステパーノワのヴィジョン(まなざし)を、ご紹介します。また、宇都宮美術館では、岐阜県現代陶芸美術館に所蔵されているテキスタイル、陶磁器、「パリにおける現代装飾・産業美術国際展」の家具などの実制作・再制作を特別に同時展示いたします。 

庭園美術館でやっていたのに行けなかったのである。芸大美術館で先日までやっていたシャガールロシア・アヴァンギャルド展(現在は福岡市美で来年1月上旬まで開催)と両方合わせてみると、初期のロシア・アヴァンギャルドから1920年代の構成主義まで、通史的に作品が見られるのである。実際の作品はあまり豊富に国内にないから、シャガール展のようにポンピドーから、また、この展覧会のようにプーシキンから借りた実作品で流れを知ることが出来るのは、実に貴重な機会だと思うのだが。

ロトチェンコやステーパーノワの1910年代の絵画。ロトチェンコの初期の絵画は、1920年代に向かって、コンポジションという名の元にある種の抽象化を遂げていった。三部作《なめらかな色》(赤、黒、黄)(1921年)で色彩をそれ自体として発展させようとする試みは結実したようだ。
しかし私が興味を持ったのは、その過程での一点、《点 コンポジション120番》というもの。この神秘性への指向のようにうけとれるものは再検討する必要がある。
図録などご恵贈いただき感謝しつつ帰途についた。

最近備忘の機能を果たしていなかったけど、少しづつ復活させていくことにしたいものだ。