ヴィルヘルム・ハンマースホイ展 ―静かなる詩情―  国立西洋美術館

9月30日(火)〜12月7日(日)
主催 国立西洋美術館日本経済新聞社、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ


面白い画家だと思った。フェルメールに影響を受けたという。なるほど静謐な室内という画題はそうした影響を感じさせるけれど、似て異なるというか、同時にこの画家の特異性も目立たせる画題だ。

異常と詩情は意外に近いというか。

特異性は、同時代、ハンマースホイから影響を受けたという画家作品も展示されていたことでさらに際立つ。

このセクションでは、ハンマースホイと同時代の画家たちの作品を見ることで、当時いかにハンマースホイの作品が特異な存在であったかを知ることができます。カール・ホルスーウやピーダ・イルステズらの作品は、ハンマースホイから影響を受けながらも明るく親しみやすい表現を見せています。それゆえ、当時のデンマークでは、ハンマースホイよりもこのふたりの画家のほうが人気が高いほどでした。現在でこそ、その評価は逆転しているものの、同時代の評価を知ることはハンマースホイの芸術を理解する上で欠かすことができないでしょう。

このセクションを見た後に、無人の室内画を描いた「誰もいない室内」セクションを見るという順序になっており、その巧みな展示構成に感嘆しました(おそらく章立て自体は、「誰もいない室内」が先になっているだろう)。


また、会場内におかれた3D画像は、画家がモティーフとした自宅の室内のCG再現。最近建築関係の展覧会ではよく見かけるようになったが、この展覧会の場合、ウェヴでも同じCGを見られるのがすごい。
http://www.shizukanaheya.com/room/index_flash.html



展示解説が余りに親切すぎる感じもしないでもなかった。しかし、それぞれの作品の謎について、皆に知ってもらいたいという熱意が感じられる。このくらいの方いいのかもしれません。