表象文化学会(少し)

それで遅れて辿り着いたのは表象文化学会だった。どちらかといえば前日の巻上公一のパフォーマンスに惹かれてのことだったが行けなかった。
分科会というものは、時に聞きたい発表が分かれていて悩む。
伊東忠太の最後の方を聞いた。あれだけではなんとも。
次の矢代幸雄の発表に興味を持っていたが準備不足のようであった。矢代の使った言葉と自分の言葉を区別していない点が最も気になった。矢代本人が「瑣末なディテール」などと言ったんだろうか。瑣末、の価値判断は誰がどういう根拠で?この発表は、テクストに内在的に、ではなく最終的には切り口の鮮やかさ、というものを目指したいのかもしれない。自明とされてきたものをずらし新たな視座からある動向を照射しようとする、ための方法論を学んでいる人のように感じた。でも、もう少し基礎情報を蓄積しないと思いつきが説得力を持たないのではなかろうか。
自分のことは棚にあげて人の事をあれこれするのもよくないが、研究内容以前のことが気になってしまったことでした。

それで他の部屋に行くと、朝鮮らしき近代風景画が沢山映写されていて、最初からこちらにいれば、、英語発表にひるむんじゃなかったと思ったが後の祭りだった。

矢代発表と対照的だったのが、別の分科会の、2つの戦争記録画を論じたもの。手堅い調査で戦後に描かれた戦争記録画の存在と顛末に焦点を当てていて面白かった。こちらの方は、もう少し思い切ったことを言い放ってもいいのでは、と勝手ながら思った。