中澤弘光ほか

先日中澤弘光の「源氏物語」の版画挿絵をバラして1枚1000円位で売っているのを見つけた。安いのか高いのか良くわらかない。まあ明治の画家の挿絵の仕事のサンプルとして持っていてもいいのかもしれないが何となく買わなかった。
たまにこういう微妙なものに出会うが、大抵買わずに後から思い出して何となく後悔するのであった。
今思い出して激しく後悔するのは池袋西武のアール・ヴィヴァンの閉店セールで20万で出ていたマックス・エルンストの挿絵本を買わなかったことだ。どうせお金なかったですけど。また、曽根裕の初個展の時、ドローイングをまとめて売るけど、という話があってこれは絶対先もの買いになるわと思い相当悩んだが、これもものすごく若かった私にはかなり無理めな金額で断念してしまった。あー、今の私ならあの値段だったら買うよ、全く。また、行かなかったアート・フェアでやなぎさんの小品が出ていた話を聞いたとき、珍しいと思って思わず出店画廊のスタッフの方に売ってくれるよう頼み込んだが、どうもオーナーが自分のコレクションを「見せたいだけ」だったようで結局売る気は毛頭ないということが分かってきた時も悲しかった。あの時も先立つものがなかったのが腰の引けた交渉に現れてしまい敗因となったような気がする。みんな前の話ではあるけど、私はコレクターになれないタイプかも。買ってもなくすし。いやいや、年の始めから諦めモードはいけない。