特別展 仏像 一木に込められた祈り 東京国立博物館

〜12月3日

奈良・平安仏から江戸時代の円空(えんくう)・木喰(もくじき)まで、一木彫(いちぼくちょう)の名品が上野に集結します。

 寺外初公開の滋賀・向源寺(こうげんじ)の国宝十一面観音菩薩立像(渡岸寺(どうがんじ)観音堂所在、2006年11月7日(火)〜12月3日(日)展示)をはじめ、国宝4体、重要文化財41体を含む146体をご覧いただきます。日本人がこだわった木で仏像を造ることの意味を考えるとともに、そこで培われた良質な木の文化を通して日本人の心や精神性に触れることができるでしょう。

 一木彫は、大地に根を張った生命力あふれる木から造られた仏像です。拝する人を圧倒する力にご注目ください。

HPより

仏像展は実際新春からそわそわと楽しみにしていたのに、やはり見に行ったのは最終日前日だった。これは「幸せになるのが怖い」症候群か何かに私が罹病しているからなんでしょうか。
いやむしろ、超混雑の殺気立った会場内で仏像を見ることへの恐怖におののいて、会期はじめに行けば良いという知恵も浮かばず竦んでいるうちに最終日が目前に迫ったというのが真相だろう。
しかしひょんなことから背中を押され最終日前日の17時30分頃に行ってみたら、混んでいるとはいえ狂気じみた雰囲気にはなっていなかった。時間がないので全てキャプションは飛ばしたのがとても功を奏し、近年まれに見るほど集中して仏像に接することが出来たのでした。十一面観音菩薩立像は、全く美しくて得難い経験をした。
ほぼ等身大の仏像というのは、もちろんこれまで数限りなく見てきたが、今回なぜか展示室内で「異形の者」という言葉が何度も浮かんだ。