「ロダンとカリエール」展 国立西洋美術館

3月7日(火)〜6月4日(日)

二人は「もっとも親しい友人として親交を深めます。交流のなかから、ふたりは彫刻と絵画という技法の違いを越え、人物やものの表面に見える形ではなく、その奥に潜む「内なる生命」を表現する者こそ、理想の芸術家であるという考えをもつようになります。このような考え方は、同時代の象徴主義の批評家や詩人たちに共感を与え、ふたりは一躍フランス象徴主義美術の中心に位置する存在となります」(毎日新聞HPより)

並置されるとなるほど共通点がよく分かって面白いと思った。
さらに面白かったのは、それでもデッサンに現れる二人の決定的な違い。
ロダンはやはり彫刻家であって、カリエールは画家。カリエールは色価を極力抑えることによって明暗で物の立体感を見事に捉えているけど、またそれはとても高い技術力でそうしているけれど、それはやはり平面上の仕事なのであって、カリエールのデッサンに現れているのは、ぬるんとした表面なのであった。
一方ロダンは、スフマートというか、なめらかな表面を作って色価まで意識しているけど、デッサン上ではしっかりとした立体物が目指されている。面白いなーと思った。ロダンといえばクラウス的観点を思い出すけれど、それ以前の要素の魅力が沢山あってやはり歴史に名を残すだけのことはしているなと素朴に関心。4日はどうやら森村泰昌が講演会をするらしかったが、他3館はしごする野心があったので断念。