日本/美術/映画 アートドキュメンタリー1930's-2000's 横浜美術館レクチャーホール

2月25,26日 2日にかけてAからGまでのプログラム。

Aプロ<日本>をみつめる
A day with japanese painter 国際文化振興会1936年 英語ナレーション 10分 モノクロ
文部省映画 法隆寺 日本映画社1943年 37分 モノクロ
法隆寺 建築篇、壁画篇、仏像篇 日本映画新社 下村健二監督1949年 28分 モノクロ
法隆寺 岩波映画製作所 羽仁進監督1958年 23分 カラー

文部省映画「法隆寺」は、皇国史観に則るとはこういうこと、と肌で分かる貴重な機会だった。1949年の「法隆寺 建築篇、壁画篇、仏像篇」は、上記と同じフィルムを使っているが、再編集、ナレーションも変えている興味深いもの。ナレーションは「美術史」的観点に寄り添っており、合わせて見ると戦中戦後の美術史イデオロギーの激変がよく分かるのであった。その他、6年の間に例の金堂出火事件も挟んでいるため文化財保護に関する語り口の変化も面白い。見に行って良かった。結局Aプロは3本の法隆寺物をノンストップで流していた。企画者も偉いが観客達も偉かった。3本目の法隆寺は、本編中「1970年」となっていたけど何かの間違い?
1番目の「日本画家の一日」は日本文化プロモーション映画。まるで、例えば中国の山水画中に描かれている文人が実写になったような演出ぶりで私からみてもエキゾティックな印象。モデルは小室翠雲。

Bプロ 見なかった。
Cプロ 個人映画とアートの交感
西陣 京都記録映画をみる会+「西陣」制作実行委員会1961年 松本俊夫監督/脚本 25分 モノクロ
へそと原爆 細江英公監督 出演土方巽ほか 1960年 14分 モノクロ
WOLS 城之内元晴監督 1969年 19分 モノクロ(一部カラーだったような、、)

西陣はすごかった。松本俊夫は「薔薇の葬列」がなんといっても印象的だがここにその映画手法の原点が?
細江英公+土方でやはり動物が、、。爽やかな海や痙攣する鶏、少年達などぱきっとしたイメージがすっきり並べられた作品。
WOLSはドローイングの様々な断片を1秒かそこらの短いスパンで切り替え続ける。編集工程大変だっただろうが、楽しそうな作業でもある。背後には、音響の凝ったサイケな音楽が流れている。この音楽に頭をやられたので5分くらいで見るのを止めて出てしまった。なので残りの2作品は見ず仕舞い。

今日改めて思ったが昔の映画は音楽に力が入っていてすごい。今日見たものもそれぞれ作曲家の書き下ろし(たぶん)、オケ演奏。武満だって随分映画音楽を作っているし。映像と音楽の対等なコラボレーションという感じがする。