プーシキン美術館展 シチューキン・モロゾフコレクション 東京都美術館

10月22日〜12月18日

マティスの「金魚」
本展の目玉必見。思ったより大きな絵だった。楽しくてマティスの中で尤も好き。マティスは初期の模索時代の作品が1点出品されており、その葛藤が知れた。突き抜けた後しか知らなかった身としては興味深かった。

ピカソ「女王イザボー」
分析的キュビズムの初期段階だそうだ。これも初めて見た。いい。コレクターのコレクション展なので集めた人のセンスにも好感を持つ。

ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
この絵は小林万吾が模写しているので原本という意味で興味深く拝見。小林の絵と受ける印象が違う。しかも小林はパリで模写したはず。カタログを読んだら、シチューキンが購入したのはオルセー美術館が持っているものの下絵らしい。納得する。国立西洋美術館には「貧しき漁夫」の異作があるそうだ。
それにしてもシャヴァンヌのことをどうして20世紀前後の日本人画家達は称えたのだろう、そしてそんなに良いならなぜ師事するなり模倣するなりして日本人によるシャヴァンヌ風が大発生したりしなかったのだろう。暇なときに考えたい問題だ。