ヒトラー最期の12日間 オリバー・ヒルシュビーゲル監督

ブルーノ・ガンツヒトラーを熱演。
ドイツでこのような映画が出来るとは。まずこの映画の存在自体が戦後の時の流れを感じさせる。

ヒトラーの最期の数日を描くということは、側近達の動きを描くことでもある。
ヒトラー擁護ではないにしても、ヒトラーに心酔した人々を通じて、ヒトラーの人間的魅力というべきものを間接的に描いている点がすごく勇気あると思った。
ゲッペルス夫妻の描写は実に説得力があり、ヒトラーの意見がどのように増幅されていいったのか、割とこんな感じだったんだろうなというリアルさ。

また、ベルリン市内の終戦直前の惨状が描き出され、当然ながらドイツも戦争により甚大な被害を被っていたことを思い出させてくれた。

市民がどんどんナチに殺されたりする訳だが、それは自業自得であるという見方がさらっと出ていたりする。
ドイツ国内の惨状の責任は誰にあったか、単純でない事情を考えさせられる。

8月に見るのにぴったりの映画であった。