アール・デコ展 東京都美術館

4月16日〜6月26日

サブタイトルが「きらめくモダンの夢ーカルティエ、ラリック、レンピッカ、シャネル…」である。知名度の高いワードをサブタイトルに持ってくるのは日本向けパブリシティの王道か。京都国立博物館で開催中の蕭白展は、確かコピーが「丸山応挙がなんぼのもんじゃ」とかそんな感じでインパクト大。意味がよくわからないが。

アール・デコ展は、5つの大まかな章立てでアール・デコという20〜30年代の装飾芸術現象をすっきりと体系的に組み立てている。「名品」「影響源」「1925年の現代産業装飾芸術国際博覧会(通称アール・デコ博)とルヴュー・ネーグル」「アール・デコの展開」「交通の発達と世界への広がり」という構成。


個人的に見所だったのは、

・数カ所に設置された映像。例えばアール・デコ展の室内装飾映像、あるいは豪華客船内の装飾と、それを背景とした社交風景、あるいはジョセフィン・べーカーのダンス、あるいは20年代(?)のマンハッタンの摩天楼、など、当時の空気を雄弁に伝えてくれる。 但しキャプションなし。せめて映像の出所が分かると嬉しかったが。出品リストにも載ってなかった。


アール・デコ様式のホテルエントランスの再現(これも図録買わないと情報なし。キャプションはあった)

・山崎覚太郎、内藤春冶、高村豊周等日本作家の工芸

・レンピカの絵

カルティエの宝飾工芸(煌めきのダイヤ、サファイア、ルビー、真珠、、、)

・しゃれたイヴニングドレス類(シャネルは比較的普通)

・ラリックのガラス工芸


会場内の解説の随所随所にフェミニズム的文化批判が見えていたのは興味深かった。日本側監修者が天野知香氏ということを知り納得。