狂言・和泉流 横座 能・喜多流 高野物狂 国立能楽堂2月公演(定例公演)

午後1時開演

友枝昭世さんを見にいった。チケットを取ってくださった人に感謝。
高野物狂は、男が狂気する話。
武士が、主君の若君の突然の出家を知り物狂いとなって霊山に入り込み、僧との対話を経て心静まるものの、高野山の由緒を謡ううちにまた思いが募り、歌舞音曲禁止の聖域で舞い、ついに若君と対面、若君に倣い自らも出家をとげる話。

生まれた若君を守り育てる腹心の家臣を「めのと」と呼ぶそうだ。「乳母」からきた名称が男の家来にも適応されたらしい。


直面のシテをはじめて見た。様々な感情が体全体から立ち上ることは面を着けたときと変わらないが、顔自体は能面のように無表情。友枝さんの動きは感動的に気持ちよく、心から満足した公演だった。

狂言は、逃げた牛を取り戻す話。迷い牛を手に入れ損なった男が、くだらない理由を述べ立てながら牛と持ち主を追いかける形での退場、が可笑しかった。「牛」の表し方が面白い。黒い長髪に面。別に牛の顔ではなかった。

シテ/高師四郎 友枝昭世 子方/平松春満 狩野裕一 ワキ/高野山の僧 宝生閑 アイ/高師四郎の家人 石田幸雄 
笛 松田弘之 小鼓 横山貴俊 大鼓 亀井忠雄