山田と斎藤と伊藤

山田が斎藤と牧神の午後を見たというのはもう完全に記憶違いの線で考えた方が良さそうだ。山田は他にも記憶違いが沢山あって厳密なことを知りたいときにはあまり真に受けない方がいいかも。斎藤はバレエ・リュスさえみてないと疑ってみたが、ヘレラウへの手紙という形で新聞に発表したエッセイには、「あなたと見た露西亜舞踊や」とか言っている。当時ニジンスキーは解雇寸前最後の花を咲かせていたときだから、同じところにいて見てないというのも不運というか不自然というか。そして伊藤が12月28日に到着したのはほぼ間違いないようだ。それにしてもみんなありがちな名字だ。