長く住んだ建物

1月5日、10年以上暮らした部屋を出た。
このマンションは、とってもぼろかったが、建てられた60年代当時としてはなかなかしゃれていたんだと思う。小さいタイルで装飾した風呂とトイレがあえて同室にしてあったり、ニッチを利用した飾りだながあったり。昔の建物らしく、和室の収納はすごかった。昔の小学校みたいな鉄のサッシで、あけるとがらがら音がした。とても大きな窓があって気持ちよかった。古いので時々雨漏りがあったりした。すぐそばが青山葬儀場で、ちょっと歩くと図書館や空き地があった。住んでる間に六本木ヒルズが出来、国立新美術館が立ちはじめ、最近は防衛庁後に巨大ビルが建設中なのが窓から見えた。
部屋のことを考えると感傷的になる。
私があの部屋の最後の住人で、やがてこのマンションは取り壊されるのだった。